デジタル小電力コミュニティ無線が制度化へ

新しいライセンスフリーラジオ デジタル小電力コミュニティ無線

小電力無線システムについての調査検討会

3年ほど前から総務省は「小電力無線システムの高度化に関する調査検討会」を開き、新しい免許不要で使えるトランシーバーのシステムを検討してきた。この検討会では新規格の候補として150MHz帯デジタルと400MHz帯FMが検討されていた。

この2つの周波数帯について現行の精度と照らし合わせてみると、150MHz帯は告示・平成元年第42号によって送信出力1Wまで、400MHz帯は無線設備規則第49条の14第1号によって10mWの出力が認められている。前者は142MHz付近において動物検知通報システムに利用されているようだ。

この調査検討会ではまず、新しい小電力無線システムに必要な要件が調査・検討された。都市部で100m程度、郊外で600m程度の通信ができること。建物内からでもある程度実用的に送受信できること。位置情報を送受信できること。不特定多数と通信できることなどである。

この要件に沿って実験を進めた結果、必要な通信距離を確保するためには150MHz帯では0.48W、400MHz帯では8.4W程度の送信出力が必要と認められた。400MHz帯で必要とされる送信出力は、とてもライセンスフリーでの利用を認められる出力ではなく、ハンディタイプトランシーバーの出力としても大きい。その結果、現行の制度内で必要な送信出力を満たす150MHz帯が選択されたようだ。

それが今年制度化され、トランシーバーが発売される予定のデジタル小電力コミュニティ無線である。

 

デジタル小電力コミュニティ無線の利用用途

コミュニティ無線の利用用途は、初期段階では災害発生時における地域の通信手段として検討されていた。販売方法についても、メーカーから直接自治会などに販売する方式を検討していたようだ。しかし、この利用用途を限定した制度化と販売に対して、無線機メーカー側から要望があったようだ。販売方法や利用用途を限定した手法では1台あたりの価格がとても高額になってしまう。それを解消するために、一般の販売店で取扱い、用途も一般レジャーに開放しようという働きかけだ。

よって、このデジタル小電力コミュニティ無線は、一般のレジャー用途で利用することもできる。地域の行事での利用はもちろん、登山者の通信手段や安全確保、アウトドアレジャーでの連絡用など、特定小電力トランシーバーからビジネスユースを差しい引いたような用途が想定されている。ビジネスユースについてはどのような扱いになるのかは、現時点では不明である。

 

トランシーバーの仕様はどうなるのか

前述のように、150MHz帯(具体的には142MHzと146MHz付近)を利用し、変調方式はデジタル、送信出力は500mWとなっている。アンテナの交換が可能で、デジタル簡易無線と同じようにトランシーバーの技術基準適合証明で登録された利得と形式のアンテナが使えるようになるらしい。

デジタル簡易無線と同一の基準でキャリアセンスが採用され、少しでも多くのユーザーが同時に利用できるようにデジ簡よりも短い時間での送信時間制限がかかるようだ。送信時には自局IDと位置情報が送信されるようで、安心な通信が可能と謳われている。

まもなくメーカーから製品情報の発表があるようで、そこで具体的にトランシーバーの仕様が判明することになる。今後の動向に注目だ!

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