ライセンスフリーラジオとは?ライセンスフリー無線とは?

ライセンスフリーラジオって何?

トランシーバーを片手にアウトドアでの運用を楽しむアクティブなホビー。それがライセンスフリーラジオです。ライセンスフリー無線とも呼ばれます。「フリラ」と呼ばれることもあり、ライセンス「フリ」「ラ」ジオを略してそう呼ばれています。趣味の無線として無線従事者免許の必要なアマチュア無線もありますが、ライセンスフリーラジオはその名の通り資格不要で使えるトランシーバーを使います。ライセンスフリーラジオの元祖である市民ラジオが「CB」と呼ばれていることから、ライセンスフリーラジオユーザーのことを「CBer」と呼んでいます。

 

アマチュア無線の目的は「無線技術に対する個人的な興味により行う、自己訓練や通信、また技術的研究」とされていますが、ライセンスフリーラジオはより純粋に「より遠くとの交信」「ユーザー同士のコミュニケーション」「トランシーバーを使ったアウトドア」などを楽しむものです。仲間との連絡用やビジネスに使うこともできるトランシーバーなので、ルールやマナーを守れれば使い方は自由と言うこともできます。

 

どんなトランシーバーが使えるの?

ライセンスフリーラジオとして趣味で使われているトランシーバーは以下の3つが主流です。

市民ラジオ

最も古くからあるライセンスフリーラジオで「CB無線」という呼び名で親しまれています。27MHz500mWAMモードでアンテナは付属のロッドアンテナまたはヘリカルアンテナのみを使うことができます。見晴らしの良い山の上で運用すれば数十キロ以上の交信が可能です。

5月から8月ごろにかけて発生するスポラディックE層と呼ばれる電離層によって異常伝搬が起こり、電離層の反射によって1000km以上離れた場所と交信することもできます。最北の地北海道と日本の最西端与那国島を繋ぐ約3000kmの交信も達成されています。

SONY ICB-87Rを最後にメーカーから販売される機種が皆無となっていましたが、2016年9月にサイエンテックス社より平成34年以降の新技術適合基準に対応したSCIENTEX RADIO SR-01が発売され話題となっています。古いソニーや松下の機種はヤフーオークションやリサイクルショップで流通しています。

 

特定小電力トランシーバー

普段の生活に一番身近にあるトランシーバーと言えるのが「特小」と呼ばれる特定小電力トランシーバーです。交通整理で使われていたり、ショップのインカムとして使われていたり、日常生活の様々な場所で活躍する422MHz10mWFMというわずかな出力のトランシーバーです。

市街地などで使用すると数百メートルの交信も厳しいトランシーバーですが、見晴らしの良い場所で運用すると100km以上の交信も可能です。ラジオダクトという海上で発生する異常伝搬を利用した約405km(青森県岩木山-新潟県米山間)の交信記録もあります。

特定小電力トランシーバーはホームセンターなどで売られていう廉価なものから遠距離交信を狙えるロングアンテナ・高感度のモデルまで、多種多様な機種が販売されています。その中でもアルインコ社製のロングアンテナモデルの性能に定評があり、ALINCO DJ-P221Lであれば1万円程度で購入可能です。

特定小電力トランシーバー選びについてはこちら

 

デジタル簡易無線

最も新しいライセンスフリーラジオとして制度化されたデジタル簡易無線は351MHz5Wデジタルモードのトランシーバーで外部アンテナの接続が可能です。手に持って運用するハンディタイプだけでなく、クルマや自宅で使用できるモービルタイプのトランシーバーも販売されています。

デジタル簡易無線も他のライセンスフリーラジオと同様に資格不要で使うことができるのですが、購入後に登録申請が必要です。購入時に付属している申請書に必要事項を記入の上、申請手数料の収入印紙を貼付して申請すると、有効期限5年間の登録状が発行されます。

デジタル簡易無線はCH15が呼び出しチャンネルとして設定されていて、このチャンネルで呼び出しを行って相手を見つけてから他のチャンネルで続けて交信をします。ビジネスで使う場合も長時間連続して使用する場合はCH15以外のチャンネルを使用するようにしましょう。

 

どうやって遊ぶの!?

無線という趣味は交信相手を見つけることができないと始まりません。交信相手を見つけるポイントは「時間」と「場所」です。つまり、相手の見つかりやすい時間になるべく多くの相手を捉えられる場所に運用することです。

トランシーバーを手に入れたら天気の良い週末に見晴らしの良い場所に行ってみましょう。ライセンスフリーラジオを楽しんでいる人たちの声が聞えてきませんか? ライセンスフリーラジオを楽しむ人たちは「CQCQ」という不特定多数に呼び掛ける言葉を使っていたり、「トウキョウAA123」のようなコールサインで呼び合ったりしているはずです。

コールサインというのは相手を識別するための符号です。仲間内であれば「佐藤さん」「山田さん」といように呼び合っても良いのですが、ライセンスフリーラジオを楽しむ人たちには「佐藤さん」や「山田さん」はたくさんいるかもしれません。そういった不都合を回避するためにコールサインを使います。過去に市民ラジオが免許制であった時代に役所から「都道府県名などの地名+アルファベット+数字」というルールで作られたコールサインが発行されていました。現在ライセンスフリーラジオを楽しんでいる仲間たちは、この頃のコールサインを使うか新たに似た形式のコールサインを作って運用しています。

コールサインの設定についてはこちら

自分のコールサインが決まったら、まずは聞こえてきた相手局に対して呼びかけてみましょう。自分のコールサイン、運用場所、レポート(聞こえ方の明瞭度)を交換したら、あとは自由に交信を楽しむことができます。ここでは、色々と細かいことまでご説明できないのですが、まずはたくさんの方の声を聞いてそれを真似することから始めるのが上達の一番の近道です。

 

交信イベントに参加しよう!

ライセンスフリーラジオを楽しむより多くの仲間と交信できるように、様々な交信イベントが企画されています。

全国一斉オンエアデイとして年に6回の全国一斉にライセンスフリーラジオを楽しもうというイベントが呼びかけられています。イベントの日程については運用イベントのページをご覧ください。

また、地域ごとに交信を楽しんだり、電波の飛びを確認したり、情報交換を行ったりするイベントとして「ロールコール」や「オンエアミーティング」というイベントも各地で企画されています。イベント情報については主催者のブログや掲示板などで告知されていますので、自分の住んでいる地域で参加できそうなイベントを探してみましょう。